artscapeレビュー

Richard Diebenkorn: The Berkeley Years, 1953-1966(リチャード・ディーベンコーン──バークレーの時代 1953-1966)

2013年09月01日号

会期:2013/06/22~2013/09/29

デ・ヤング美術館[San Francisco]

サンフランシスコ滞在中(ちょうど原稿の締切日と重なった)、デザイン関連の展覧会をみる機会がなかったため、展覧会ではなく美術館を紹介したい。サンプランシスコのゴールデン・ゲート・パーク内に位置する、デ・ヤング美術館は、1895年に開館したが、現在の建物は1989年に起きた大地震以後、再築などを経て2005年に完成、新しくオープンした。設計はロンドンにあるテート・モダンも手かげた、ジャック・ヘルツォーク(Jacques Herzog, 1950- )とピエール・ド・ムーロン(Pierre de Meuron, 1950- )が担当した。建物の外壁を覆っている、銅版は海風に酸化され赤みを帯びていて、その銅版に掘られた7,200個の穴からは光が入り、時間とともに変化する。北側にある塔に登ると市内が一望できる。文化人類学的に価値の高い作品を多く収蔵しており、また印象派の作品も多い。現在は、米国出身の画家リチャード・ディーベンコーン(Richard Diebenkorn, 1922-1993)のバークレー(サンプランシスコ)時代の企画展が行なわれている。ディーベンコーンはアメリカ・モダニズム絵画に大きく影響した人物だそうで、初期はニューヨークで抽象画を描いていたが、その後、人物画を経て、具象へと移る。本展ではサンプランシスコ時代の抽象画と人物画が130点余り紹介されていた。[金相美]


デ・ヤング美術館、外観


同、内観


同、内観


「リチャード・ディーベンコーン──バークレーの時代 1953-1966」エントランス

2013/08/14(水)(SYNK)

2013年09月01日号の
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