artscapeレビュー

デヴィット・シャリオール写真展“ISOLATED BUILDING STUDIES”

2014年02月01日号

会期:2014/01/11~2014/02/23

GALLERY TANTO TEMPO[兵庫県]

デヴィット・シャリオールは米国・シカゴを拠点に活動する写真家で、区画整理など何らかのの理由で街区に1軒だけ取り残された建物を、真正面から撮り続けている。そのテーマは社会学的であり、一定の構図を守り続けている点でタイポロジーの系譜に属する作家と言える。空き地の中に孤立した建物の姿は寂しげだが、時には崇高さをたたえ、またある時にはマグリットの絵画にも似たシュールな姿を見せてくれる。また、西洋建築におけるファサード(正面デザイン)の重要性にも気付かされた。今回は10数点の作品と絵はがきサイズの小品35点からなる小規模な展示だったが、チャンスがあれば、広い空間で今回の何倍もの作品が並ぶ様を見てみたい。

2014/01/18(土)(小吹隆文)

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