artscapeレビュー

越野潤 eight white rectangles

2014年03月01日号

会期:2014/01/25~2014/02/16

ギャラリーあしやシューレ[兵庫県]

会場の壁面には、8点の白い長方形の絵画が点在している。それらはリシツキーのロシア・アヴァンギャルド絵画を3次元空間に解き放ったかのようであり、厳密に設計された配置が空間に美しい均衡をもたらしていた。素人目には判別し難いが、8点はすべて異なる種類の白で着色されているとのこと。着色はカゼインテンペラ技法が用いられている。また、展示室の奥にある細長い回廊状の空間では、8点の白い小品が展示されていた。こちらの特徴は、支持体が半透明の樹脂板であることと、シルクスクリーンで着色されていることだ。これにより作品が内側から鈍く発光するような効果が得られ、平面表現の新たな可能性に気付かされた。

2014/02/06(木)(小吹隆文)

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