artscapeレビュー

ネオ・ダダ新作展 2013-2014

2014年03月15日号

会期:2014/02/17~2014/03/08

ギャラリー58[東京都]

1月に秋山祐徳太子をやったばかりのギャラリーで、今度は赤瀬川原平、篠原有司男、田中信太郎、吉野辰海の4人によるネオ・ダダだだだ。ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズは1960年に結成され、1年たらずで解散した伝説的な前衛グループだが、出品はすべて新作。よくも悪くもいまだネオ・ダダ的なのは、蛍光色を使った大型ペインティングと水彩を展示した篠原だろう。この半世紀ほとんどブレがない。吉野も相変わらず奇怪な犬人間の彫刻を出している。逆に田中は60年代にいち早くミニマルアートに転じ、今回はサイズも形態も台座さえもミニマルな彫刻を出品。この半世紀間もっとも変転に富んでいたのは赤瀬川かもしれない。ネオ・ダダの後ハイレッド・センターを結成し、千円札裁判で有罪判決を下され、超芸術トマソンを経て路上観察学会に合流し、そのあいだに芥川賞を受賞するという離れ業を成し遂げている。今回はライカ同盟以後の写真作品の展示。半世紀以上前の「ネオ・ダダ」というビッグバンから飛び散った現在の姿が見られる。

2014/02/20(木)(村田真)

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