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支倉常長像と南蛮美術──400年前の日欧交流

2014年04月15日号

会期:2014/02/11~2014/03/23

東京国立博物館本館7室[東京都]

約400年前に伊達政宗の命によりメキシコ経由で渡欧した支倉常長の肖像画を、《南蛮人渡来図屏風》《世界図屏風》とともに展示。肖像画はローマ教皇に謁見するためローマ滞在中に描かれたとされ、イタリアの個人蔵となっている。仙台市博物館にある半身像ともども初めて西洋で油彩画に描かれた日本人の肖像画だろう。顔や衣装はメイド・イン・ジャパンなのに、陰影や立体感がつけられて妙な感じがするし、背景の南蛮船や聖人像などとの組み合わせもミスマッチ。逆に日本人が西洋人を平面的に描いた《南蛮人渡来図屏風》と好対照をなしている。もし可能なら、この《支倉常長像》と、和服姿の夫人を描いたモネの《ラ・ジャポネーズ》を並べてみたい。

2014/03/14(金)(村田真)

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