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artscapeレビュー

Future Beauty 日本ファッション:不連続の連続

2014年05月01日号

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会期:2014/03/21~2014/05/11

京都国立近代美術館[京都府]

ロンドンをかわきりに2010年から世界各都市を巡回してきた「Future Beauty」展が、このたび京都でお披露目の運びとなった。国内では、2012年の東京での「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展に次ぐ、二度目の開催となる。本展では副題が「不連続の連続」へと変更されていることからもわかるように、「日本ファッションが受け継ぐ文化性へと視点を移し」て東京展とは構成が一部改められている。
4部構成からなる本展のなかで、開催地、京都にもっとも関わりが深いのは第3部「伝統と革新」である。染織作家・福村健による繊細な辻が花染め、西陣織の箔匠・新庄英生による緻密な螺鈿入りの引箔、西陣織の老舗、細尾による複雑な錦織など、京都の伝統的な染織技術をいかしたファッションには、それらの技術が当代に着実に受け継がれているという確かな手ごたえを感じる。展示された衣服は、作品ではあるが同時に製品であり商品でもある。人が手にとって、購入して、着用するという完成後のプロセスから遠く離れてしまうことなく、それでいて充分に存在を主張している。その力は、物語を衣服というモノの外に求めるのではなく、工芸的な技術を用いることで、モノそれ自体の内に込めてゆくことに由来するように思う。
1989年開催の「華麗な革命──ロココと新古典の衣裳」展から5年に一度のペースで開催されてきた、京都服飾文化研究財団主催の展覧会も本展で第6段になる。ファッションを取り巻く状況がめまぐるしく変化するなか、それでも回を重ねるごとに高まる周囲の期待に応え続けようという主催の意志を感じる展覧会だった。[平光睦子]

2014/04/19(土)(SYNK)

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