2018年06月15日号
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artscapeレビュー

キトラ古墳壁画

2014年05月15日号

会期:2014/04/22~2014/05/18

東京国立博物館[東京都]

7~8世紀に造営された奈良県明日香村のキトラ古墳の石室内に、壁画が発見されたのは1983年のこと。壁4面に青龍、朱雀、白虎、玄武の四神、天井には天文図が描かれているのだが、漆喰の剥離が著しいため壁面をはがして修理作業が進められている。今回公開されたのは朱雀、白虎、玄武の3面と、それぞれの下に描かれた十二支のうちの子と丑の計5点。ぶっちゃけ、墓の内壁を引っぺがして公衆の面前にさらしてるわけで、別に罰当たりとは思わないけれど、これらの壁画も一種のサイトスペシフィックワークと考えれば、やはり博物館で鑑賞するのは違和感があるなあ。もちろんそれによって実物と対面できるわけだから文句を言える立場じゃないけど。今回は陶板による壁画のレプリカも展示しているが、こうしたレプリカはひとつの解決策になるかもしれない。これから3Dプリントの技術も発達するだろうし、ますますホンモノに近づくから美術館や博物館での需要は増えるに違いない。でもそうなると贋作や著作権問題が多発するかもね。それはともかく、ちょっと不思議に思ったのは、カメとヘビが絡み合う玄武の描かれた壁面が、ちょうどカメの甲羅のかたちに剥がされてること。偶然? わざと?

2014/04/21(月)(村田真)

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