artscapeレビュー

ノスタルジー&ファンタジー──現代美術の想像力とその源泉

2014年07月01日号

会期:2014/05/27~2014/09/15

国立国際美術館[大阪府]

ノスタルジー(郷愁)とファンタジー(幻想)をキーワードに、横尾忠則、北辻良央、柄澤齊、棚田康司、淀川テクニック、須藤由希子、山本桂輔、小西紀行、小橋陽介、橋爪彩の仕事を紹介。展示形式は、作家ごとに空間を区切る個展の集合体だった。考えてみれば、本展のキーワードはあらゆる美術家が大なり小なり持つ要素であり、キュレーター次第でいかようにもアレンジできる便利な言葉と言える。展示方法も作家同士の世界が交わることがなく、展覧会全体よりも個々の展示に関心が向いたのは仕方ないだろう。実際、作家たちは力の入った展示を見せてくれた。特に、山本桂輔、小橋陽介(画像)、淀川テクニックはパワー全開で圧倒的された。彼らとは対照的に、あえて点数を絞り、密度の濃い空間をつくり上げた棚田康司も印象に残った。

2014/05/26(月)(小吹隆文)

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