2018年10月15日号
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artscapeレビュー

Tokyo Rumando(東京ルマン℃)「Orphée」

2014年10月15日号

会期:2014/09/03~2014/09/20

ZEN FOTO GALLERY[東京都]

前作の「REST 3000~ STAY5000~」で、ラブホテルでさまざまな人格に変身するという興味深いセルフポートレート作品を発表したTokyo Rumandoが、東京・六本木のZEN FOTO GALLERYで意欲的な新作を発表した。
今回はジャン・コクトー監督・脚本の映画「オルフェ」(1950年)に題材をとり、「鏡」をテーマとして取り上げている。魔界、あるいは死の世界への入口と思しき丸い鏡に、Tokyo Rumandoが自ら扮する妖しいキャラクターが、あらわれては消えていく。ボケや揺らぎなど、鏡に映し出されるイメージにふさわしい効果を巧みに用いることで、現実世界にいる彼女自身との対比がもくろまれているのだ。コクトーへのオマージュを込めた、ややクラシックな雰囲気のモノクロームの画像がなかなかうまく効いていて、ユニークな作品として成立していた、
ただ、あまり大きくないプリントがフレーミングされて並んでいるだけの展示(映画「オルフェ」が壁面にDVD上映されてはいたが)は、ややもったいなかった。せっかく4~6枚のシークエンス作品として制作されているのだから、複数の写真を同じフレームにおさめるとか、鏡そのものを写真と組み合わせてインスタレーションするとか、何か一工夫ほしかった気がする。「鏡」というテーマそのものは普遍的なものなどで、さらに別な形で展開していく可能性を持っているのではないだろうか。なお展覧会にあわせて、ZEN FOTO GALLERYから同名の写真集が刊行されている。

2014/09/12(金)(飯沢耕太郎)

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