2018年10月15日号
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artscapeレビュー

第4回産廃サミット─廃棄物を言い訳にしないデザイン展─

2014年10月15日号

会期:2014/09/06~2014/09/14

プラス・ショールーム「+PLUS」[東京都]

日頃我々がゴミとして排出している“廃棄物”の素材性を活かしたアート、プロダクトなど、公募により選出された80名の作品を展示した展覧会イベント。廃棄物処理業者の株式会社ナカダイが主催する今展は、”素材=廃棄物”という見地からモノの価値や捨て方、現在の我々の生活のあり方、創造の可能性を見つめ直そうというものであった。捨てられたプラスチックの道具やおもちゃの部品など、様々な廃品から制作した派手な装飾のリヤカー《移動祭壇》を引き、街中を走るという活動を行っている石田真也が出品するというので見に行った。手芸から彫刻まで、廃品を用いたさまざまな作品とともに主催会社が扱う商品も陳列された会場は、全体には「何でもあり」の雑多な印象。興味を持つものは他にもあったが、石田の新作はだんとつに目を目を引いた。《石田延命所》という車輪付きのその作品は、これまで石田が発表してきた《移動祭壇》と同様のコンセプトで制作されたもの。しかし、主にその造形センスに注意が傾きがちだったこれまでとも異なり、今回は細部のマテリアルにもその使い方にも石田ならではのユニークな発想と工夫がうかがえて、作家の遊び心にもワクワクする興奮を覚えた。石田のアートワークは、素材集めにしろ制作物にしろ、実際に外に出ることで新たな出会いや交流を生み出すという魅力をもっている。作品自体がただ廃材を使った奇抜な「祭壇」というインパクトを超えて昇華した印象だったのが嬉しい。今後の発表活動がますます楽しみになった。


石田真也《石田延命所》

2014/09/06(土)(酒井千穂)

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