印象派のふるさと ノルマンディー展:artscapeレビュー|美術館・アート情報 artscape

2018年08月01日号
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印象派のふるさと ノルマンディー展

2014年10月15日号

会期:2014/09/06~2014/11/09

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館[東京都]

また館名が変わった。当初の安田火災東郷青児美術館は見る影もない。「ノルマンディー展」は、北仏ノルマンディー地方を描いた風景画に焦点を絞った、ありそうでなさそうな、でもありそうな展覧会。廃墟、荒天、夕日といったいかにもな舞台設定を好む19世紀前半のロマン主義から、コローやブーダンら無愛想で素っ気ない曇天模様のレアリスムを経て、一気に明るいモネの風景画へ移り変わっていく。その間に海辺が日光浴や海水浴などレジャーの場と化し、娯楽や産業が栄えていくさまが絵からも読みとれる。20世紀になると点描や表現主義が襲い、風景より画家の個性が前面に出てきて絵画が大きく方向転換していく。ノルマンディーという定点を観測するだけで、この一世紀のあいだに絵画にも人々の生活にもモダニズムの大波が押し寄せたことがよくわかる展観だ。しかし最後のデュフィはどこがいいんだかさっぱりわからん。

2014/09/05(金)(村田真)

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