2018年06月15日号
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artscapeレビュー

末永史尚「ミュージアムピース」

2014年10月15日号

会期:2014/08/01~2014/09/28

愛知県美術館[愛知県]

アーティストと学芸員が協同してつくっていく「APMoAプロジェクト・アーチ」の第11弾。壁に絵画が10点ほど展示されている。が、画面の周縁に額縁が描かれてるだけで、内部はモノクロームに塗り込められている。つまり「絵」のない絵。これらは愛知県美術館のコレクションから選んだ絵画を原寸大で(額縁または表装だけ)模写したもの。模写といっても精密ではなく、かなり大ざっぱだが。その脇にはこれも色面だけの小さなプレートがついている。テーブルにはストライプ模様の立体が置いてあるが、これはカタログの束を表わしているらしい。ほかにも作品を運ぶ段ボール箱、スポットライトなども手づくり感たっぷりに再現されている。これはおもしろい。絵画そのものではなくその周囲にあるものをクローズアップすることで、逆に絵画の本質を浮かび上がらせようとする試みといってもいい。作品はこの展示室だけでなく、美術館エントランスの掲示板にも続いてる。この掲示板に貼られていた展覧会ポスターの一部を撮った写真を再びポスターに仕立て、もういちど掲示板に貼るというもの。こういう自己言及的な作品をおもしろがる人って、けっこう自意識過剰な人間が多いんじゃないか。

2014/09/26(金)(村田真)

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