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建築文化週間2014 建築夜楽校「東京オリンピック2020から東京を考える」第1夜「新国立競技場の議論から東京を考える」

2014年11月15日号

会期:2014/10/01

建築会館ホール[東京都]

日本建築学会、建築夜楽校のシンポジウム「新国立競技場の議論から東京を考える」にコメンテーターとして出席する。司会の松田達は、まずこの錯綜している問題に関する、さまざまな論点を整理し、続いて青井哲人は議論すべきことを指摘した。また浅子佳英は、311以降の文脈から大胆な穴掘りによるスタジアム案をオルタナティブとして提示する。そして一連の議論のきっかけをつくった槇文彦は、ザハ案の阻止を訴え、コンペの審査員をつとめた内藤廣はすぐれたものをつくるべきという。多くの聴衆の関心を集めたように、この問題に関して、槇と内藤が初めて同じ場において議論したことが最大の成果である。とはいえ、結論が出たわけではない。ザハ案の反対派が強固なことが再確認された。またシンポジウムにあわせて、関連企画展「東京オリンピック2020から東京を考える」展が開催された。

左:森山高至によるキャラ建築
右:浅子佳英によるショッピングモールのモデルなどを応用した選手村案

2014/10/01(水)(五十嵐太郎)

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