artscapeレビュー

改組新第1回日展

2014年11月15日号

会期:2014/10/31~2014/12/07

国立新美術館[東京都]

昨年は不正審査問題で揺れた日展。今年から気分も新たに再出発することを、タイトルに「改組」「新」「第1回」としつこいくらいに並べてアピールし、理事長も女性日本画家の奥田小由女に交代、また外部からも審査員を迎えて心機一転……したかな? ではさっそく入ってみよう。3秒後、なんだほとんど変わってねーじゃん。日本画はいつになく新奇な作品が見られるような気もするけど(とくに伊東正次、池田亮太、三浦浩、米谷清和ら)、洋画は大半の画家がいつものモチーフをいつもの調子で描いて十年一日のごとし。なかには中学生並みの絵も入選していて、いったいどんな審査をしてるのか首を傾げたくなる。とくに今回は洋画に南嶌宏氏や本江邦夫氏も審査員に加わったというので、彼らがどんな作品を推し、どんな作品を拒否したのか知りたいところだ。いずれにせよ、本気で変革しようと思ったら、まず審査員を外部に一任し、会員とか理事とかいった序列をなくし、部屋ごとフロアごとのヒエラルキーもなくし、そしてなにより日本画・洋画・彫刻といったジャンル分けをなくすことだ。ちなみに今年は応募総数が約1割減の12,638点、総陳列点数は2,997点。今日1時間かけて見たのは日本画と洋画合わせて1,115点だから、1点につき約3秒。例年よりていねいに見ました。

2014/10/31(金)(村田真)

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