artscapeレビュー

ウィレム・デ・クーニング展

2014年12月15日号

会期:2014/12/08~2015/01/12

ブリヂストン美術館[東京都]

近代美術のイメージが強いブリヂストン美術館でウィレム・デ・クーニングというのも意外な気がするが、数年前にはザオ・ウー・キーの回顧展もやったし、ポロック、デュビュッフェ、スーラージュら抽象表現主義やアンフォルメルの画家たちの作品もコレクションしてる(今回も常設展に出ている)から、想定外というわけではなさそうだ。といっても今回のデ・クーニングは館蔵品ではなく、ジョン・アンド・キミコ・パワーズ・コレクション(リョービ財団に寄贈)から借りてきたもの。パワーズ・コレクションといえば昨年「アメリカン・ポップ・アート展」で紹介されたが、版画や素描が多くてがっかりした覚えがある。今回の出品は油彩と素描を中心とする女性像35点。比較的初期の1951年のものが2点あるが、あとの大半は60年代後半の制作で、なかでも65-66年の作品だけで20点を超す。初期の2点がいちばん緊張感があるように思うけど、そうじゃなくても特定の時期の同じテーマの作品を集中的に見られるのは貴重な機会だ。とくにこのころはポップアートが全盛を迎える時期なので、そんな背景を考えながら見るのもおもしろい。大規模な特別展ではないけれど、中規模のテーマ展としては満足。

2014/11/14(金)(村田真)

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