artscapeレビュー

KIYOMEプロジェクト 報告会・トークイベント

2015年01月15日号

会期:2014/12/05

木材会館[東京都]

この秋、なぜかお風呂の審査員をやった。といっても別に裸の女性が出てくるわけではなく(当たり前だ)、檜を使った浴槽を製造・販売する檜創建という会社が主催する浴槽のデザインコンペ。風呂はただ身体の汚れを落とす場というだけでなく、心を清(浄)める時空間でもあるとの考えから「KIYOMEプロジェクト」と名づけられた。今日はその審査の報告とトークイベント。コンペは彫刻家、建築家、インスタレーション作家が提案した三者三様のプランを、哲学者の鎌田東二、彫刻家の三宅一樹、ギャラリーエークワッド館長の川北英、檜創建代表取締役社長の小栗幹大が審査、彫刻家の木戸龍介による卵形の浴槽プランが選ばれた。扉がついたカプセル型の浴槽で、表面に神経細胞のような網の目状の透かし彫りを入れる予定。難易度は高いが、檜創建と共同制作していくという。実現したらぜひ入りたいものだ。この日は木戸氏と審査員全員が登壇し、審査の感想や日本の風呂の独自性などについて話し合った。お風呂も文化だということがつくづくわかった。

2014/12/05(金)(村田真)

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