2017年07月15日号
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artscapeレビュー

試写『ワイルド・スタイル』

2015年04月15日号

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会期:2015/03/21~

渋谷シネマライズ[東京都]

1983年に公開された『ワイルド・スタイル』は、ニューヨーク名物のグラフィティをアメリカ以外の都市に飛び火させただけでなく、DJ、ラップ、ブレイクダンスといったヒップホップカルチャーを世界中に拡散させるきっかけとなった映画だ。ストーリーは、ひとりのグラフィティ小僧が商業主義の誘惑を受けながら覚醒していくありがちなものだが、出演者の大半が実際のグラフィティライターやラッパーだったことでも話題となった。私事だが、ぼくがキース・ヘリングの取材をするためニューヨークを初めて訪れたのが、1982年の暮れから83年にかけて。地下鉄のグラフィティはまだ健在で、キースのほかジャン=ミシェル・バスキアや、この映画にも出てくるレイディ・ピンクやパティ・アスターにも会えたし、ギャラリーのオープニングでは黒人の少年たちが床でクルクル回っていた。まさにこの映画の空気が息づいていたのだ。とはいえもう30年以上も前のこと、映画にはパソコンもケータイもCDもゲームも登場せず、みんな街に出てレコード回して歌ったり踊ったりしてるのがとてつもなく原始的で健康的に思えてきた。


映画『ワイルド・スタイル』予告編

2015/03/02(月)(村田真)

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