2017年07月15日号
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artscapeレビュー

試写『だれも知らない建築のはなし』

2015年04月15日号

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会期:2015/05~

ユーロライブ試写室[東京都]

もう30年以上も前に開かれた国際会議に参加した建築家たちが、当時のことを振り返ったインタビュー映画。そんなもん建築に興味ないヤツにはおもしろくもなんともないが、少しでも興味あればこの30年の建築界の盛衰や裏話が聞けてけっこう楽しめる。ことの発端は、1982年にアメリカで開かれた「P3会議」に、磯崎新がふたりの若手建築家を伴って参加したこと。このふたりは後に世界的な建築家として脚光を浴びることになる安藤忠雄と伊東豊雄だが、当時まだ小住宅しか手がけたことがなかった。インタビューはこの3人に加え、ピーター・アイゼンマン、チャールズ・ジェンクス、レム・コールハースといったスター建築家のほか、日本から世界へ建築情報を発信した『a+u』『GA』などの編集者たち。インタビューは個々に行なわれたが、互いの話をつなげてまるで議論を交わしてるように構成されているため、立場の違いや建築観の違いが浮き彫りになっておもしろい。いちばん印象的だったのは、レム・コールハースが日本の建築家はしゃべらない(言葉を重視しない)と批判的に述べていること。理論家として知られる磯崎でさえ、日本の特殊事情を述べることであらかじめ批判を回避しているというのだ。これはもちろん建築に限った話ではないだろう。


映画『だれも知らない建築のはなし』予告編

2015/03/26(木)(村田真)

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