2017年11月15日号
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artscapeレビュー

杉並にあった映画館

2015年05月15日号

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会期:2015/03/28~2015/05/10

杉並区立郷土博物館分館[東京都]

日本の映画全盛期の昭和34年、杉並区には中央線の四つの駅の周辺を中心に20館以上の映画館が存在したという。本展は、いまはなき映画館の開館・閉館年、座席数、所在地、立地の特徴などの調査と、写真資料、各館で独自に制作された映画プログラム、映画会社が制作したポスターなどによってこれら映画館の盛衰を辿り、また杉並区にゆかりのある映画関係者を紹介する企画。なかでも関心を惹かれた展示は、かつて存在した映画館の所在を示した地図である。この地図には銭湯の所在も合わせて示されており、多くの場所において映画館と銭湯が近接して立地していたことが指摘されている。ただしその理由は明確ではない。いずれも駅に近く、人の行き来が多い地域、繁華街であると想像されるが、それ以外にも映画館と銭湯が近接する理由はあったのだろうか。地図上に示された映画館は開館時期別に色分けされており、銭湯も同様に開設時期を示したならば、もう少し両者の関係がはっきりするかも知れない。出品されている映画ポスターは区内在住の匿名コレクター氏の蒐集品。映画会社が制作したポスターは全国共通のものであるが、1000を超えるというコレクションのなかから区内の映画館で上映された作品と、杉並区にゆかりのある映画制作者・原作者の作品をピックアップすることで、地域に根差した博物館らしい展示が実現されている。[新川徳彦]

2015/04/23(木)(SYNK)

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