2017年11月15日号
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artscapeレビュー

プレビュー:大谷能生×山縣太一『海底で履く靴には紐が無い』

2015年05月15日号

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会期:2015/06/02~2015/06/14

STスポット[神奈川県]

ハイバイの岩井秀人演出で『再生』を快快が上演するなど(KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ、2015年5月21日~30日)、話題の公演が目白押しのなか、今月ぜひとも紹介したいのはこの1本。チェルフィッチュで活躍する役者・山縣太一が脚本・演出を行ない、主演をミュージシャンで評論家の大谷能生が務めるという謎めいた企画なのだが、本人たちはいたってまじめに演劇の更新を目指している。ひとつの注目点は、はたして40歳を超えた大谷が半年ほどの稽古で役者へと変貌できるのか?にあるのだが、それは同時に、どんなひとでも集中して稽古すれば役者になれるのか?という問いに答える実験でもある。ある意味演劇版「ライザップ」みたいなところもあるけれども、もっと注目すべきは、チェルフィッチュの演劇を体現し続けてきた山縣が、自分の蓄えてきた身体への思考を炸裂させようとしている点だろう。山縣の身体に宿っているのはじつはチェルフィッチュだけではない、彼が師匠と仰ぐ手塚夏子の身体論こそ、この演劇を動かす原動力となっている。毎夜、豪華なゲストを招いたアフタートークが用意されているのも気になるところだが、大谷と山縣の思いとしては、ゲストとしっかり演劇やパフォーマンスなるものについて議論したいのだそうだ。そうした模様は、ぼくがディレクターを務めるBONUSサイト上にて随時まとめる準備をしている。そう、この企画にはいつのまにかぼくも一枚噛んでおり、すでに公開しているインタビューなど、この企画をフォローする役回りを担当している。先日も稽古を見に行ってきたところだ。ぼく個人は、役の与えられるのを「待つ」という意味で基本的に受け身の役者が、主体的に演劇を「作る」側に回ったことに興味を惹かれている。さて、その顛末やいかに。


稽古場インタビュー:大谷能生×山縣太一「海底で履く靴には紐が無い」(ウェブサイトBONUS)

2015/05/15(金)(木村覚)

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