2018年12月01日号
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artscapeレビュー

「燕子花と紅白梅──光琳デザインの秘密」展

2015年06月01日号

会期:2015/04/18~2015/05/17

根津美術館[東京都]

琳派の祖・本阿弥光悦が洛北・鷹峰に光悦村(芸術村)を開いて今年で400年。さらに尾形光琳の300年忌にあたることもあって、「琳派」に関する展覧会が目白押しである。そのなかでも本展は「デザイナー」としての光琳の意匠に光を当てることに特色がある。なんといっても見どころは二つの国宝《燕子花図屏風》と《紅白梅図屏風》が並んで展示されること。そのほかにも、光悦や俵屋宗達・尾形乾山を含めた重要文化財の出品作がたくさんある。光琳が生家である京都の呉服商「雁金屋」で育ち、図案(模様)に深くかかわっていたこと、また縁戚にもあたる光悦や宗達らのジャンルを越えた装飾芸術への影響などから、デザイン性を昇華させていったことが展示品(屏風・扇・蒔絵・陶器・香包)を通じて明らかにされる。弟の陶工・乾山が、光琳の気に入っていたモチーフをアレンジして使った作品なども展観され、兄弟間の意匠の共通性についてもよくわかる。美術館の庭園にはカキツバタの群生が見頃を迎え、出品された屏風と併せて、なんとも贅沢な競演であった。[竹内有子]

2015/05/10(土)(SYNK)

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