2018年10月15日号
次回11月1日更新予定

artscapeレビュー

単位展──あれくらい それくらい どれくらい?

2015年06月01日号

会期:2015/02/20~2015/05/31

21_21 DESIGN SIGHT[東京都]

あるモノを実際よりも巨大に、あるいはミニチュアにして人々の感覚とのあいだにズレを生じさせる手法は、アートではしばしば見られるところ。しかし他方でモノの実際のサイズや、重さ、時間の長さなどのスケール感覚は人によってまちまちで、そのものに日常的に親しんでいない限り、差異は必ずしも人に違和感をもたらすとは限らない。PCやスマートフォン、タブレットの普及で、私たちはモノのスケールに関して、ミクロとマクロのあいだを自由に行き来できるようになり、あるいは居ながらにして世界の美術品工芸品を見ることができるようになり、それはそれで「便利」なのだけれども、そこでみたモノと、自身の身体を基準としたリアルなスケール感とが結びつきづらくなっているように思う。そうした人々のスケール感の違いを共通の基準に揃えることが「単位」の役目で、実際に基準となる物差しを示されると、自身に内在する基準と「単位」とのズレに驚かされる。単位展の展示で興味深いのは、ひとつには重さや時間、速さの「単位」と私たちの感覚とのずれを教えてくれるさまざまな仕掛け。もうひとつ興味深かったのは、効率的にスケールを計るための道具たち。例えば「ガラスシクネスゲージ」はガラスに45度の角度で当てて映り込んだ線の位置で厚さを測定する道具。窓枠にはまったままの状態で計ることができる。恥ずかしながら曲尺の使いかたも初めて知った。専門家が使う機能性を極めた測るための道具は、それ自体のデザインもまた魅力的だ。[新川徳彦]

2015/05/22(金)(SYNK)

artscapeレビュー /relation/e_00029295.json l 10111361

2015年06月01日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ