artscapeレビュー

showcase ♯4 つくりもの Constructs

2015年07月01日号

会期:2015/05/08~2015/05/31

eN arts[京都府]

清水穣キュレーションによる、写真に特化したグループ展の第4弾。「つくりもの Constructs」をテーマに、中島大輔と山崎雄策をピックアップした。中島の作品は庭の植え込みなどに一本の棒を渡したものだが、構図と光の妙により植樹林の斜面を見下ろしているかのような巨視的スケールの風景へと変換する。一方、山崎の作品は街路で撮影した人物の連続写真だ。同じ人物を撮っているはずなのに、顔つきが1点ずつ微妙に異なる。画像加工をそれと気づかぬほど巧みに施した作品であり、その事実に気付いた時の気持ち悪さは半端ない。2人の作品は写真に加工を施す、施さないの違いはあるものの、「つくられた」情景であることに変わりはない。そして「つくりもの Constructs」が写真の本質であることを雄弁に語っている。

2015/05/23(土)(小吹隆文)

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