2018年11月15日号
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artscapeレビュー

琳派400年記念 植物園 de RIMPA「PANTHEON──神々の饗宴」

2015年11月01日号

会期:2015/07/25~2015/10/25

京都府立植物園[京都府]

琳派400年記念展として、京都府立植物園の観覧温室「鏡池」を会場に開かれた本展。会期前の5月26日からはじまった序章「雷神──黒い太陽」をかわきりに、7月25日からは1章「フローラ降臨」が、8月13日からは3章「風神の塔」が、そして9月から最終章「New Generation Plant」がはじまりいよいよクライマックスをむかえた。9月27日から10月11日の期間にはライティングと音楽を交えた光の饗宴が催され、展覧会のフィナーレを飾った。
鏡池という舞台上、むかって左には放電パフォーマンスをする《雷神》、右には頭上の風車の発電によって水を吸って吐きだす《風神の塔》、そして中央には静かに微笑む《フローラ》。巨大な3体のオブジェはヤノベケンジの手による。そして、フローラを囲んで水面から突きだして伸びる植物のようなオブジェは増田セバスチャンの作品《New Generation Plant》である。最終章の夜間のライトアップは高橋匡太が担当した。3人のアーティストの共演である。
植物園は、日中、市民の憩いの場である。来園者が散歩や写生、写真撮影など思い思いに過ごすなかで、3メートル以上もの高さはあろうかと思われる巨大オブジェたちはどことなく場違いで落ち着かないように見える。しかし、夜間のライトアップでは一転。街灯すらおぼつかない暗闇の園内を進むと、ライトに照らされた木々が現われ、さらに進むと赤、緑、青などのカラフルな光、「ひかりの実」3,000個が木々に灯ってファンタジックな世界を演出している。そしてメインステージの鏡池では、ぼんやりと光に浮かぶ観覧温室を背景にオブジェたちは音楽に合わせてライトアップされ、雷神はバチバチと放電し、水面の植物には光の花が開き、フローラのドレスはカラフルに輝いている。音楽が佳境に入ると、なんとフローラは立ち上がってそれまで閉じていた目を開くのである。5月から5カ月間をかけて盛り上がってきた本展もこのエレクトリカル・ショーをもって幕を閉じ、冬の植物園が静けさを取り戻すのかと思うと少々名残惜しいような気がした。[平光睦子]


ヤノベケンジ《フローラ》と増田セバスチャン《New Generation Plant》(手前)、ヤノベケンジ《風神の塔》(奥)


夜間ライトアップ

2015/10/20(火)(SYNK)

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