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artscapeレビュー

尾形一郎/尾形優「沖縄モダニズム」

2015年11月15日号

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会期:2015/10/03~2015/11/07

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム[東京都]

建築物を被写体としてユニークな写真作品を発表し続けている尾形一郎と尾形優。今回の個展のテーマは「沖縄モダニズム」である。沖縄では、戦後アメリカ軍が軍用物質として持ち込んだ穴あきのコンクリートブロックが各地に普及し、建築資材として利用されていった。それらは、日本の伝統的な「木割り法」を用いた鉄筋コンクリート建築と合体し、柱と梁はコンクリートでありながら、機能的には民家の構造を持つユニークな住居建築を生み出していく。そのミニマルな、「構成主義」的な外観を持つ建物に、装飾的な要素を付け加えているのがコンクリートブロックなのだ。
今回の展示では、4×5インチカメラの大判カメラで撮影された「街並」シリーズから5点と、那覇出身の彫刻家の能勢孝二郎が、コンクリートブロックを素材に制作した作品を、1点ずつ標本のように撮影した「彫刻」シリーズ32点が並んでいた。「沖縄モダニズム」の応用形というべき街の眺め(カラー)と、その基本単位であるコンクリートブロック彫刻(モノクローム)を対比することで、沖縄の「自然や伝統や生活、そこに軍事的環境が進入して、アブストラクトとして表現されることが日常となった時代」があぶり出されていく。これまでの彼らの作品と同様に、目のつけどころと、それを作品として再構築していく手続きは鮮やかとしかいいようがない。
なお彼らの「沖縄モダニズム」の建築物に対する考察は、先に羽鳥書店から刊行された『沖縄彫刻都市』で、写真図版とともに緻密に展開されている。そちらも、あわせて一読していただきたい。




上:尾形一郎/尾形優「街並」シリーズ
下:尾形一郎/尾形優「彫刻」シリーズ
© Yu OGATA & ICHIRO OGATA ONO / Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film, Tokyo

2015/10/28(水)(飯沢耕太郎)

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