artscapeレビュー

三上浩 硄グリフ展 “QUAUGLYPH”

2015年11月15日号

会期:2015/09/18~2015/11/15

佐賀町アーカイブ[東京都]

石彫をやってる人の関心はなにも作品を完成させることばかりではない。制作する行為そのものを重視する人もいれば、共同作業する人たちとの関係性を重んじる人もいる。三上浩が着目したのは、石を叩くときに出る火花。この火花が飛び散る瞬間を写真に収め、そのかたちをベースに文字を生み出したのが「硄グリフ」だそうだ。ところが、これを完成して数カ月後、発表しようとした矢先に三上は亡くなってしまう。1999年のことだ。今回はこの「硄グリフ」の写真と、そのとき使った石によるインスタレーション。石彫からまったく別のものを生み出そうとした三上だが、彼にとってこれらの写真こそ「石彫」だっただろう。

2015/10/10(土)(村田真)

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