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始皇帝と大兵馬俑

2015年11月15日号

会期:2015/10/27~2016/02/21

東京国立博物館[東京都]

前半は秦王朝と始皇帝の遺品の食器、装飾品、瓦、水道管などが並んでいて退屈するが、後半になると兵馬俑が登場。最後の巨大な部屋には手前に兵馬俑が10体ほど置かれ、背後には整列した兵馬俑のコピー、その奥には整列した兵馬俑の写真と発掘現場近くの風景写真が貼られ、展示室全体がジオラマになっている。これは壮観。ただしこれらの陶像は均整のとれた古代ギリシャ彫刻とは異なり、なで肩で足が短く、総じて重心が低い。つまりカッコわりいのだ(顔はそれなりにリリしいが)。これは日本人と同じくもともと中国人のプロポーションが悪いのか、それともプロポーションはいいんだけど、陶像を立てて焼くため安定感を得ようとわざと重心を低くしたのか。気になるところだ。

2015/10/26(月)(村田真)

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