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全道展70周年記念企画展──70年新生する全道展

2015年11月15日号

会期:2015/10/31~2015/11/08

北海道立近代美術館[北海道]

今日は全道展の創立70周年記念の講演をすることになっているので、その前に展覧会を拝見。招待されていうのもなんだが、どこの公募団体展も似たり寄ったりだ(今回は公募はなく、会員・会友だけの企画展だが)。例えば、作品を目いっぱい展示して、足りなければ2段がけにすること。会友・会員とヒエラルキーが存在すること。現代社会からかけ離れた作品が多いこと。これらはすべて日本でしか通用しないガラパゴス現象といえる。1点、目が釘づけになる作品があった。竹岡羊子の《佳き日に!》。パリかどこかの街角で、少女の上半身が木っ端みじんに吹き飛んでる瞬間を描いた絵だ。というのは冗談で、ほんとは大きな花束を抱えて上半身が隠れてしまった少女の像だろう。でもそれが自爆テロにも見えるというのは悪いことではない。あるひとつの絵がさまざまな解釈を許すのは包容力があるからだ。この絵は作者がどう思うかは別にして、まったく正反対の見方ができる点で優れている。

2015/10/31(土)(村田真)

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