2018年04月15日号
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artscapeレビュー

散歩の条件

2016年01月15日号

会期:2015/12/01~2015/12/06

ギャラリーすずき[京都府]

1983年代以来、関西の現代美術シーンを牽引してきたギャラリーすずきが、昨年12月をもって32年間の活動に幕を下ろした。本展はその最後を飾る展覧会だ。出品作家は、井上明彦、今村源、日下部一司、三嶽伊紗の4名。画廊内には今村のディレクションにより大きな構造物が構築され、その周辺に各自の作品と、本展のために実施した散歩の記録などが配置された。散歩とは時間の痕跡を巡る旅であり、そこには4作家の制作姿勢と共通するものがあるということだろうか。本展はもともと画廊の幕引きのために企画されたものではなかったので、特別なセレモニーは行なわず、いつも通りに淡々と会期を終えた。その潔い姿勢に画廊と作家たちの美学を感じた人も多いだろう。今はただ「32年間お世話になりました」と言うしかない。幸い京都では後進の画廊が育っている。次の時代は彼らが作ってくれるはずだ。最後に一つだけリクエストを言わせてもらうと、画廊の歴史をまとめて出版あるいはウェブ上で公開してくれないだろうか。ギャラリーすずきの存在を後世に残すために、アーカイブは必須である。

2015/12/01(火)(小吹隆文)

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