2018年10月15日号
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artscapeレビュー

金銅仏きらきらし──いにしえの技にせまる

2016年01月15日号

会期:2015/10/24~2015/12/22

大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館[大阪府]

仏像の外観にみられる造形美を愛でる展覧会は数あれども、そのつくられ方を見て考える機会はなかなかない。本展は、5~9世紀における東アジアの金銅仏(青銅でつくり金メッキした仏像)の組成成分をX線で分析することで得られた成果を披露し、仏像の制作工程・技法を紹介するもの。序章では、東京国立博物館と東京藝術大学によって制作された興福寺仏頭の模型を例に、その鋳造プロセスを探る。原型(土型・蝋型)の種類、鋳型の固定方法、溶銅の注ぎ口・出口の作成法などは現在でも謎だそうだ。第1章では、東京藝術大学大学美術館、大阪市立美術館、逸翁美術館、白鶴美術館が所蔵する日本・韓国・中国・チベットのさまざまな金剛仏42体を展示し、蛍光X線分析などの詳細な調査結果が踏まえられている。最後の第2章では、如意輪観音半跏像が展観される。仏像の様式と技法に加え、組成比率から制作地域や年代を探求する手がかりとなる。飛鳥・奈良時代には金できらきらしていたであろう金銅仏の姿に思いを馳せつつ、その表現だけでなく、物質性・素地の色・金属の固さにも目が引き付けられた。[竹内有子]

2015/12/15(火)(SYNK)

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