2018年01月15日号
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artscapeレビュー

ジョルジョ・モランディ展──終わりなき変奏

2016年03月15日号

会期:2016/02/20~2016/04/10

東京ステーションギャラリー[東京都]

モランディって地味な静物画ばっかり描くちょっと変わった画家くらいにしか認識してなかったので、同じような静物画が並ぶであろう回顧展にはあまり行く気もしなかったが、逆に似たような作品ばっかり並ぶ回顧展というのもおもしろいんじゃないかみたいな好奇心も湧いてきて、行ってみることにした。モランディは前回のドクメンタでも取り上げられていたし、岡田温司も書いてるし。で、見てみたら、静物画だけでなく風景画も描いてたが、それがまるで静物画みたいな風景画で、しかも静物画自体も予想以上にヴァリエーションに乏しく、それを第1次大戦が終わるころから1964年に世を去るまで半世紀にわたり、生まれ故郷のボローニャに腰を据えて延々と描き続けたのだから、もうそれだけで脱帽だ。たしかに個々の作品を見ると、色彩と形態や地と図の関係をあれこれ試しているのがわかって見飽きることがないが、でもだからといって壷の位置をちょっと変えたり、器の数をひとつ増やしたり減らしたりするだけで、50年もの年月を費やすことに耐えられるだろうか。しかしその一方で、逆にモランディの態度こそ画家として至極真っ当ではないかとも思えてくる。画家が一生のあいだにできることなんて限られたものでしかないのだから。そんな余計なことまで考えちまう展覧会でした。

2016/02/19(金)(村田真)

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