2018年10月15日号
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artscapeレビュー

小樽の近代建築

2016年03月15日号

[北海道]

北海道へ。小樽に行くのは学生のとき以来か。ここでも外国人の観光客が多いことに驚かされる。エキゾチックな街並みが残っているのは、1890年代から1910年代頃に貿易や商業で栄え、その時期につくられた近代建築がかなり残ったことが要因だろう。が、当時、辰野金吾や佐立七次郎らの前衛に設計を依頼した先進性が、いまの北海道の行政や施主にあるのだろうかと思うと、心もとない。小樽の近代建築は、明治末において洋風のバタくさい啓蒙的な存在だったはずだ。しかし、時を経て、キャラ変が起き、レトロなメルヘン建築に認定される。加えて、観光目的に擬近代建築が新しく参入し、本物が混ざったテーマパークの様相を呈している。それだけに、純モダニズムの文学館・美術館は清々しい。

写真:左=上から、旧北海道拓殖銀行小樽支店、日本銀行旧小樽支店、旧三井銀行小樽支店、旧日本郵船小樽支店 右=上から、小樽オルゴール堂堺町店、小樽オルゴール堂本館、小樽駅、小樽文学館・美術館

2016/02/25(木)(五十嵐太郎)

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