2018年07月15日号
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artscapeレビュー

春画展

2016年04月01日号

会期:2016/02/06~2016/04/10

細見美術館[京都府]

昨年開催された、日本初の「春画展」の巡回展。20カ所以上に断られつづけ、やっと開催にこぎつけたのが東京、永青文庫と、ここ、細見美術館だったという。東京展の観覧者は20万人を上回ったというが、本展も入館整理が必要なほどの連日の混雑ぶり。美術展には珍しいR18の年齢制限も人々の興味をさらにかき立てたのかもしれない。出品は狩野派や土佐派の肉筆画から名立たる浮世絵師の版画まで、大名家で代々密かに受け継がれてきたものから街中で庶民に貸し出されたものまで、およそ130点。なかでも、鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿など美人画で知られた絵師たちによる春画には、美人画を手にした人々がその絵をとおして妄想したであろう、次なる場面を目の当たりにする思いがした。
春画は、しかし、基本的にただ猥褻なだけではない。春画には、性的なことがらと笑いが同居するのである。具体的には男女の目合ひの様子が描かれる。二人の肉体と、まといつく衣類、そして彼らをとりまく周囲の状況、どの絵もモチーフは驚くほど画一的だ。さらに、身体の一部が際立って強調されている点も共通する。その一部を描く執拗さが、不自然で、不調和で、滑稽なのである。[平光睦子]

2016/03/19(土)(SYNK)

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