2018年10月15日号
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artscapeレビュー

清川泰次の生活デザイン

2016年04月01日号

会期:2015/12/19~2016/03/21

世田谷美術館分館 清川泰次記念ギャラリー[東京都]

抽象的な表現(彼はそれを「純粋絵画」と呼んでいたようだが)を追求した画家・清川泰次(1919-2000)。1980年代になると、その表現は絵画にとどまらず、立体、生活デザインへと広がったという。清川の自宅兼アトリエを改装したギャラリーで「清川泰次の生活デザイン」と題する展覧会が開催されていたので見に行った。絵画、立体作品に加えて、清川がデザインを手がけたというティーウェア、テーブルウェア、ハンカチーフ、ファブリック類、そして益子焼など手ずから絵を付けた陶器類が展示されている。清川の抽象的な表現はこれらの製品にとても合っていると感じたが、他方でこれらを「デザイン」と呼ぶのかどうか、今回の展示では少々判断つきかねた。それというのも、清川泰次デザインの商品をどのようなメーカーが手がけ、どこで、どのような価格で売ったのか、今回の展示では良くわからなかったからである。器の形も手がけたのか、それとも絵付けだけだったのか。どなたがプロダクト全体をプロデュースしたのか。サインが入っているところをみると、これらはアーティスト・グッズとしてつくられたものではなかったのか。もちろんそうした例は他の美術家にもいくらでもあることである。ただ、「生活デザイン」と銘打つからには、その「生活」が誰のものだったのかが示されていればよかったと思う。[新川徳彦]

2016/03/21(月)(SYNK)

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