2018年10月15日号
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artscapeレビュー

生誕180年記念 富岡鉄斎─近代への架け橋─展

2016年04月01日号

会期:2016/03/12~2016/05/08

兵庫県立美術館[兵庫県]

1985年に京都市美術館で行なわれた生誕150年を記念する回顧展以来、30年ぶりの大規模個展。鉄斎コレクションで知られる兵庫県宝塚市の清荒神清澄寺 鉄斎美術館との共催で、初期から晩年まで約200点の作品を前後期入れ替えで展示している。鉄斎は幼少期から幅広く学問を修め、89歳で亡くなるまで自分は学者だと自任していた。つまり彼にとって絵は余技という訳だが、そのポジションゆえの自由さか、あり余る知識の成せる業か、奔放な筆致、豊かな色彩、壮大なスケールは、いわゆる文人画の範疇を遥かに超えている。特に屏風画などの大作はスペクタクルあるいはファンタジーと形容すべき代物で、現代のゲーマーやオタクが見たら何と言うか聞いてみたいと思った。また、作品の発色も素晴らしく、最高級の墨と絵具を惜しげもなく使用していたことが窺える。やはり実物を見なければ物の良し悪しは分からない。次に大規模な鉄斎展が行なわれるのは没後200年となる20年後だろう。それまで待てない人は、この機会を見逃さないようにしてほしい。

2016/03/12(土)(小吹隆文)

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