2018年04月15日号
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artscapeレビュー

アート・アーカイヴ資料展XⅢ。「東京ビエンナーレ'70再び」

2016年04月15日号

会期:2016/02/22~2016/03/25

慶應義塾大学アート・センター[東京都]

1970年、中原佑介をコミッショナーに、内外のアーティスト40人を招いて東京都美術館で開かれた第10回日本国際美術展、通称「東京ビエンナーレ'70」。枕言葉に「伝説の」がつくこの国際展については多くが語られてきたが、展示の実体に関してはあまり知られていない。というのも、いわゆる絵画や彫刻は少なく、当時まだ珍しかったその場限りのサイト・スペシフィックなインスタレーションが大半を占めたため、現地制作が多くて展示場所がなかなか決まらず、会期中に場所を変更した作品もあったからだ。今回は残された記録写真を精査して、誰のどんな作品がどの展示室にどのように配置されていたかを同定する試み。作品写真の片隅にたまたま写っていた出入口の大きさや、その向こうの展示室にわずかに写る作品の一部、床板の張られている方向や照明の配列などを手がかりに、一つひとつ図面に落とし込んでいったという。これは大変な作業だけど、ハマったらやめられないだろうな。この資料展には作品の記録写真に加え、その写真から読み取れる情報を記した解説、各作品の配置を示した旧都美術館の平面図やマケットなどが展示されている。作品が「どうだったか」を検証するのではなく、作品が「どこにあったか」を検証する珍しい展覧会。おもしろかった。

2016/03/24(木)(村田真)

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