2018年10月15日号
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artscapeレビュー

モーション/エモーション─活性の都市─

2016年04月15日号

会期:2016/01/17~2016/03/27

札幌芸術の森美術館[北海道]

北海道新幹線開業の日に札幌へ。もちろん新幹線は函館止まりなので、飛行機でひとっ飛び。昼前に新千歳に到着したが、約束の時間まで4時間ほどあるので、バスで真駒内に出て芸術の森に直行、「モーション/エモーション」展を見る。特に見たいわけでもないけれど、北海道に関連する企画展らしいし、年度末のせいかほかの美術館も大した展覧会やってないし。よその地に行くと必ずひとつやふたつ美術館を訪れずにはいられないというビョーキみたいなもんだ。同展は「北海道を中心に活躍する9人のアーティストたちの作品約90点を通じ、一つの生命体のように増殖と明滅をくりかえす都市の姿と、そこに生きる人々の感情に焦点をあてます」とチラシにある。絵画から彫刻、写真、インスタレーションまで、若手からベテラン、物故作家まで多彩だが、北海道という共通点以外なにか通底するものがあるような気がする。それは仕事が細かく、丁寧なこと。特に武田志麻の細密な木版画、野澤桐子のリアリズム肖像画、クスミエリカのデジタルコラージュ、森迫暁夫の童画のようなインスタレーションにそれを感じる。寒いからアトリエにこもってコツコツと仕事をするしかないからだろうか、と考えるのは北海道に対する偏見ですね。いずれにせよ多くの作品が工芸的に見えるのだ。唯一異なるのが廃材を使った楢原武正のインスタレーションだが、一見荒々しい彼の仕事もけっこう気を遣って構成されているように見える。仕事が丁寧なのはもちろん悪いことではないけれど、それだけで充足してしまいがちで、なにかものたりなさを感じてしまうのも事実。30分ほどで切り上げ、雪でぬかるんだ道を急いでバス停へ。

2016/03/26(土)(村田真)

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