2018年04月15日号
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artscapeレビュー

GABOMI.「/in/visible」

2016年04月15日号

会期:2016/03/02~2016/03/25

資生堂ギャラリー[東京都]

資生堂ギャラリーが主催する新進アーティストの公募展、「shiseido art egg」には、時々面白い「写真家」が登場する。今回の第10回公募には370名の応募があり、そのなかから選ばれたGABOMI.の写真作品が展示された(前後の会期で川久保ジョイ、七搦綾乃展を開催)。
GABOMI.は1978年、高知生まれで、香川在住のアーティスト。「肉眼で見えない光」の様態を捉えるために、「TELENS」、「NOLENS」などのユニークな手法で制作している。「TELENS」=手レンズは「手をカメラのボディと組み合わせ、手で光を調節」して撮影し、「NOLENS」=ノーレンズは「カメラレンズを外してカメラ内部を開け放った状態で、屋外にて被写体をマクロ撮影し、色を抽出する試み」である。結果として、抽象化され、パターン化された、微妙なグラデーションの色面が出現してくる。それらをグリッド状に並べるのが、今回の展示の基本形だ。
試みとしては悪くないが、ここから先がむずかしいだろう。被写体として選ばれているのは、例えば「NOLENS」のシリーズなら、「コーラ(自販機) あじさい 椿 いちょう あじさいの葉」などであり、なぜこの手法で撮影して提示しなければならなかったかという根拠がやや乏しい。インクジェックプリントのクオリティ、壁面への展示の仕方も、これでいいのかという疑問が残る。紙焼きのプリントでは、「光」本来の物質性や輝きが抜け落ちてしまうように思えるからだ。そのあたりをクリアーしたうえで、さらに大胆な探究と実践が必要になってきそうだ。

2016/03/05(土)(飯沢耕太郎)

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