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artscapeレビュー

ブリッジ・オブ・スパイほか

2016年04月15日号

行き帰りの飛行機で幾つかの映画を見る。スピルバーグ監督の『ブリッジ・オブ・スパイ』は一見地味だが、とてもよい。敵側の出方を考える冷戦時代の駆け引きが、緊張感のあるドラマをつくり上げている。現在、世界の敵は理解不能なテロリストということになっているので、これが失われているのではないか。『悪のクロニクル』は脚本と演技がお見事である。また韓国映画らしく、業が深い内容だった。一方、機内で見ることができた最新の邦画は、『orange』や『俺物語』である。漫画ぽいというか、そもそも漫画が原作だからそうなのだけど、もっと緊張感のある映画が見たい。『図書館戦争 THE LAST MISSION』も、それほどのアクションでないし、政治・社会の掘り下げが浅い。

2016/03/12(土)(五十嵐太郎)

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