2018年04月15日号
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artscapeレビュー

「文字の博覧会 ─旅して集めた“みんぱく”中西コレクション─」展

2016年05月15日号

会期:2016/03/04~2016/05/17

LIXILギャラリー大阪[大阪府]

あまりにも身近な存在ゆえに普段それほど意識することのない「文字」。本展は、国立民族学博物館の「中西亮コレクション」約80点を通して、世界の文字文化の多様性と魅力に迫るもの。「中東・欧州文字文化(ヘブライ・アラビア・ギリシャ・ラテン文字等)」、「インド・東南アジア文字文化(デーヴァナーガリー・タミル・バタク文字等)」、「東アジアの漢字文化(西夏・チベット文字等含む)」の三つの文化圏を核として展示がされている。文字が記される媒体もそれぞれで、紙・皮・植物・布・粘土等の多様な素材である。各地の文字を見るとき、その造形性と面白さを愛でるだけでなく、筆記者としての人々の身体的な運動性や、その根底にある風土・宗教・宇宙観等の諸文化へ思いを馳せることになる。何よりデジタル・フォントに慣れた現代の私たちにとって、本来の文字と文字の連なりに潜む、柔らかな響きあい、筆の動きと滲み、文字の連鎖、リズム性といったものが、よりリアルに迫ってくる。記された文字のエネルギーを目の当たりにして、近現代の活字による表現の可能性についても考えさせられる展覧会。[竹内有子]

2016/04/19(火)(SYNK)

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