2018年04月15日号
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artscapeレビュー

國府理展 「オマージュ相対温室」

2016年05月15日号

会期:2016/03/07~2016/05/09

ギャラリーエークワッド[東京都]

北砂からトボトボ南下すること約20分、新砂にある竹中工務店のギャラリーエークワッドへ。2年前、国際芸術センター青森での展覧会中に事故で亡くなった國府理(享年44)の、その最後の展示「相対温室」をできるだけ忠実に再現している。國府は自動車や自転車やプロペラなどに関心を寄せ、動く作品や自然を採り込んだエコロジカルなアートを試みてきたアーティスト(どうやら作品に使った自動車の排気ガスが死因らしい)。メインの作品は、2メートルほどの高さに置かれた水槽から木の樋をつないで水を流し、円形の水盤で受けて再び水槽に戻すという循環系のインスタレーション。樋にも水盤にも土や砂利が盛られ、コケや雑草が生えている。ギャラリーのサイズが違うので必ずしも厳密な再現ではないが、それを差し引いてもちょっと不自然に思えたのは、青森ではカーブしたギャラリーに合わせて樋も弧を描いていたのに、ここでは直線(長方形)の空間にもかかわらず樋が弧を描いていることだ(しかも弧の向きが逆)。青森ヴァージョンに忠実なら弧を描くべきだが、もし作者自身が再現するとしたらこうはならなかったのではないか。というか、本人不在のもと別の空間で再現されるなど考えもしなかったはず。そう考えると複雑な気分になる。ほかに、隣室には自動車の内部を冷蔵庫に見立てた作品、屋外には巨大な温室を出品。

2016/04/01(金)(村田真)

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