2018年10月15日号
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artscapeレビュー

世界遺産 ポンペイの壁画展

2016年05月15日号

会期:2016/04/29~2016/07/03

森アーツセンターギャラリー[東京都]

そもそも「壁画展」などグラフィティの展覧会と同じで矛盾のかたまりだが、それでも「ポンペイの壁画展」は数年にいちどの頻度で開かれている。ならば「ラスコーの洞窟壁画展」も企画してほしいと思っていたら、今秋科学博物館で開かれるそうだ。といっても原寸大レプリカや3D映像がメインらしいが。話を戻すと、日本に来ているポンペイの壁画もひょっとしたらレプリカだったりして。いや疑ってるのではなく、それほど色がきれいなのだ。昔見たポンペイの壁画はもっとひび割れだらけで、色彩もくすんでいたように感じるのは気のせいか。特に「エジプト青の壁面装飾」と呼ばれるフレスコ画の青(水色)と赤の対比はこの上なく美しいし、また、土色だけで群像を表現した《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》の描写力は見事というほかない。でも今回興味深かったのは、かすかに字が読み取れる「グラッフィーティのある壁画」と、描きかけの顔料がそのまま固まってしまった「顔料入りの小皿」。どちらも完成された壁画より現場感が漂っている。

2016/04/28(木)(村田真)

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