2018年07月15日号
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artscapeレビュー

“人間の記憶” 須田一政写真展

2016年06月01日号

会期:2016/04/20~2016/05/08

gallery Main[京都府]

須田一政が1997年に「第16回土門拳賞」を受賞した作品群《人間の記憶》。同作は彼が本格的に写真を始めてから1993年までのモノクロ作品から選びだしたものであり、一作家の写真史とも言える。本展では、須田が1997年にニコンサロンで行なった個展で発表したオリジナルプリントを、約20年の時を経て再展示した。しかも、作品の配置も可能な限り当時の個展を再現したとのこと。作品数は50点以上。当時を知る者はもちろん、初めて同作を見る若い写真ファンにとっても貴重な機会であった。昔の個展を再現する手法自体が魅力的で、今後同様の企画が広まれば写真史の再発掘に資するだろう。なお、本展の画廊主(写真家と兼業)は当時の個展を見ており、自分が写真家を志すきっかけになったという。関係各位の写真愛が垣間見えるという点でも、本展は感動的な企画であった。

2016/04/29(金)(小吹隆文)

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