artscapeレビュー

時代(とき)をこえて ギャラリー・コレクションを中心に

2016年08月01日号

会期:2016/06/28~2016/07/03

galerie 16[京都府]

ギャラリーコレクションを中心とする13作品で、1960年代から80年代の関西現代美術シーンを振り返る企画展。同時期に大阪で行なわれたアートフェア「ART OSAKA」に参加した同画廊が、そこでの展示とアートフェア経由で京都を訪れる客層を意識して企画したと思われる。出展作家は、野村耕、古田安、岩田重義、三島喜美代、柏原えつとむ、狗巻賢二、木下佳通代、北辻良央の8名。なかでも、1970年代、80年代、90年代(遺作)の変遷がうかがえる木下佳通代の展示は見応えがあり、柏原えつとむが1968年に発表した《カーテンを認識するためのカーテン》も、欧米でコンセプチャルアートが隆盛し、日本で「もの派」が始まろうとしていた時期であることを意識すると感慨深かった。また、三島喜美代が1964年に発表した絵画も、いまとなってはレアな作例だ。画廊のコレクション展でこれだけ見応えのあるのは珍しい。さすがは50年以上の歴史を誇る老舗画廊といったところか。

2016/06/28(火)(小吹隆文)

2016年08月01日号の
artscapeレビュー