2018年04月15日号
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artscapeレビュー

辰野登恵子の軌跡 イメージの知覚化

2016年08月01日号

会期:2016/07/05~2016/09/19

BBプラザ美術館[兵庫県]

一昨年に急逝した辰野登恵子(1950~2014)の業績をたどる展覧会。約70点の作品を前後期に分けて展示しているほか、映像や資料も紹介されている。筆者は1990年前後に辰野作品と出合ったため、当時の作品に愛着を覚えている。また、1970年代のミニマルな作品も見たことがあるが、2000年以降は詳しく知らない。彼女の作品は関西で見る機会が少なく、本展を知ったとき、ようやく全貌がわかると喜んだ。いざ展示を見ると、油彩画と版画がほぼ五分五分で並んでおり、辰野がいかに版画を重視していたかがわかった。また、版画作品の質感が、まるで油彩画のように重厚であることにも驚かされた。そして何より注目すべきは、本展出品作のほとんどが関西在住の個人コレクターの所蔵品であることだ。関西にこんな目利きがいたとは知らなかった。そしてよくぞこれだけのコレクションを形成してくださった。今後も積極的に公開してほしいが、これだけの規模の展示は滅多にないだろう。それだけに本展は貴重であり、後期も必ず見に行こうと決意を新たにした。

前期:2016/07/05〜08/07
後期:2016/08/09〜09/19

2016/07/15(金)(小吹隆文)

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