2017年12月15日号
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artscapeレビュー

ポコラート全国公募展vol.6─作品は、どこから来たのか。作品は、どこへ行くのか。

2016年08月15日号

会期:2016/07/16~2016/08/08

アーツ千代田3331メインギャラリー[東京都]

応募作品1632点のなかから選ばれた入選作品154点を展示している。倍率は10倍以上、日展より狭き門だ。ポコラートとは「障がいのある人、ない人、アーティストによる自由な表現」のことらしい。ここからいえることは、まず、障がいのある人にプライオリティがあること、それからアーティストは「障がいのある人」でも「ない人」でもない「第3の人」であること、そして合わせれば全人類に適用できることだ。すると、審査基準はアーティストでも障害のない人でもなく、「障がいのある人」に合わせているんだろうか。いまひとつわかりにくい。そのせいか、作品の落差もハンパない。A4程度の紙切れ1枚に色鉛筆でサラッと描いただけの頼りない絵もあれば(けっこうあった)、天井から床まで届く長い紙10枚に絵を描き、幅10メートルにわたって壁を占拠した猛者もいる。また、同じ「なぐり描き」でも、額装したものと、そのままピンで止めたようなものでは見え方がまるで違う。不思議なことにポコラートの場合、額装したものより、ペラ1枚そのままのほうがスゴミを感じさせるのだ。さて、勝手に村田真賞は、田村貴明の《好きな人の絵》と《私の願い》のセット。《好きな人の絵》のほうは大島優子、大久保悠、武田祐子、加藤綾子という4人のタレントの似顔絵を並べたものだが、恐ろしいことに4人とも同じ顔をしているのだ。《私の願い》のほうは「私の名前は田村貴明です」で始まり、「コンサート、見に、行きましょう。行けたらいいですね」で終わる、彼女たちに宛てた手紙形式の文章なのだが、彼女たちの名前以外はすべて同じ文面、同じ書体で書かれているのだ。これを本人たちに送ったりしたら犯罪になりかねないが、このように「ポコラート」として公開すれば、すごい、すごいといってホメるヤツもいるのだから世の中は楽しい。

2016/07/29(金)(村田真)

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