2017年12月15日号
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artscapeレビュー

宇宙と芸術展

2016年08月15日号

会期:2016/07/30~2017/01/09

森美術館[東京都]

これ以上ない大風呂敷を広げた展覧会。なにしろ「宇宙」だもん、あらゆる芸術を包含しかねない。展示は曼荼羅図に始まり、十二天像、キトラ古墳壁画の天文図(複製)、竹取物語絵巻、江戸時代の天文観測図と観測器、隕石でつくった《流星刀》、天体観測機器アストロラーベ、レオナルド・ダ・ヴィンチによる天文学のメモ(アトランティコ手稿)、ガリレオ・ガリレイの手稿、コペルニクスやケプラーによる天文学書の初版本、ツィオルコフスキーの天文学を巡る手稿、ユーリ・ガガーリンの写真、アポロ11号の資料、アンドレアス・グルスキー《カミオカンデ》、森万里子《エキピロティックス ストリングⅡ》、野村仁《ムーンスコア》、チームラボによる体験型の映像インスタレーションと続く。これを見ると、宗教、科学、芸術が未分化な前近代から、徐々に天文学が専門分化していく経過がわかり、最後に現代のアーティストがまたそれらを混ぜっ返そうとしているようにも見える。楽しみどころがたくさんあるし、よく集めたもんだと感心もするが、逆になんでこんなもんまで? と首をひねりたくなるようなものもある。例えばジア・アイリみたいな宇宙のイラストレーションを出すくらいなら、ジャクソン・ポロックのドリッピング絵画のほうがはるかに宇宙的だと思うのだが。

2016/07/29(金)(村田真)

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