2017年12月15日号
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artscapeレビュー

小川佳夫展

2016年08月15日号

会期:2016/05/28~2016/07/09

un petit GARAGE[東京都]

小川の作品は90年代に何度か見たことあるし、本人と飲んだ記憶もあるが、以後20年ほどごぶさたしていた。経歴を見ると、95年から12年間パリに滞在していたというから、どうりで見なかったわけだ。久々に接する作品は鮮烈だった。それは、かつての抽象表現主義的な絵画からきわめてシンプルな画面に変化したからであり、また、近ごろの日本では珍しいほど色彩や触感に重きを置いているからだ。作品は大小10点ほど。いずれも刷毛で微妙に混色した絵具を厚めに塗り、乾かないうちに上から別の色彩をペインティングナイフでサッと一振りする。一振りといっても往と復でだいたい2本の線として残る。うまくいかなかったら地の色に混ぜ合わせてもういちど繰り返すという。ちょっと李禹煥やフォンタナを連想させないでもないし、ともすれば、禅などの日本文化に結びつけられかねない面もあるが、深みのある色彩と思いきりのいいストロークは見ていて気持ちがいい。

2016/07/01(金)(村田真)

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