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建築学生ワークショップ明日香村2016 提案作品講評会

2016年08月15日号

会期:2016/07/30~2016/07/31

明日香村国営飛鳥歴史公園内キトラ古墳周辺[奈良県]

建築学生ワークショップ明日香村の中間講評会@四神の館へ。飛鳥を訪れるのは、修学旅行以来かもしれない。キトラ古墳正面を敷地とするプログラムで、構造デザインや施工を助けるサポート体制など、よく練られている。が、8組の案はどれもキトラとの対峙を避け、サイトスペシフィックでない野外彫刻風が多く、せっかくの場所なのにもったいない。古墳の初期は巨大で外からの見えを重視したが、末期は小型化し、内部に意識が向かい、キトラも実物は拍子抜けするほど小さい。が、四神や天文の壁画で知られるように、これはいわば洗練されたインテリア・デザインの登場である。そういう空間史的な意味も、ほとんど学生の案に影響していなかったのは残念だった。

写真:左=上から、《四神の館》、ワークショップ敷地、《キトラ古墳》 右=上から、《キトラ古墳》模型、ワークショップ模型

2016/07/30(土)(五十嵐太郎)

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