2018年10月15日号
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artscapeレビュー

静かなる動物園~アートに棲む生きものたち~

2016年09月01日号

会期:2016/07/01~2016/08/30

髙島屋資料館[大阪府]

京都の烏丸松原に呉服業者として創業後、髙島屋は明治期から貿易業に乗り出してゆく。海外向けに美術染織品(ビロード友禅・刺繍壁掛け・屏風・衝立・着物)を製作、貿易部に画室と陳列式売場を設けて輸出販売にあたった。京都を訪れる外国人が必ず店舗に立ち寄るほどの人気ぶりだったという。創業者一族である飯田家の当主は貿易部を独立させ、仲買商人を通さず直輸出を行うため、積極的に欧米へ製造業の視察を行う。1885年以降、海外の万国博覧会に美術工芸を出品し、金牌を受賞していた。
本展は、同資料館が所蔵する工芸品・染織品下絵等のなかから動物をモチーフにした作品を展示している。髙島屋が著名な京都の画家に下絵を描かせ、優秀な工芸家に刺繍を依頼のうえ美術工芸品を制作させた、その歴史的業績を目で確かめることができる。染織品下絵には、都路華香・今尾景年・谷口香 ・久保田米僊といった日本画家たちの作品のほか、セントルイス万国博覧会関連資料がある。本展示の目玉のひとつは、竹内栖鳳が即興で白縮緬地に墨で描いた≪龍長襦袢≫である。さらにデザインに興味がある人は、常設の入口にあるル・コルビュジエのタピスリー《外部に倦怠が漲る》 と、シャルロット・ペリアンの家具の展示も要チェック。いずれも、髙島屋「芸術の綜合への提案──ル・コルビュジエ、レジェ、ペリアン三人展」開催に由来するものである。[竹内有子]

2016/08/13(土)(SYNK)

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